往診中の救急要請対応:救急隊とのスムーズな連携が『質』向上の鍵

はじめに

 往診時に救急要請が必要になったり、現場の関係者が患者様の急変時の対応を把握できておらず、救急要請をしてしまった場合などには、消防の救急隊と連携した対応が求められます。本記事では、往診医や代診サービスのスタッフがそのような場面において適切に行動するための手順と救急隊との連携の重要性について、解説していこうと思います。

救急隊へのフィードバック

 代診サービスのスタッフ(医学生や看護師、救急救命士などを想定しています。)が観察した結果や往診医の診察結果を救急隊へ確実に伝えることが重要です。

②患者様のご意向を明確化

 患者様がDNAR(Do Not Attempt Resuscitation)なのか否かを書面やキーパーソンから直接確認が取れた内容をもとに明確にし、救急隊へ伝えます。これが明確でなかった場合、救急隊がその確認作業から活動を開始することになり、現場滞在時間が長くなる(搬送先医療機関がすぐに決まらない)原因となってしまうのです。

③事前の医療機関調整および救急隊と連携のとれた平行選定

 受診歴のある医療機関が分かる場合は、なるべく救急隊が到着するまでに代診サービスのスタッフが連絡し、受け入れ可能であるか否かを確認しておきます。救急隊到着後であれば、救急隊の医療機関選定の妨げにならないよう、救急隊がまだ連絡を開始していない医療機関を確認し、代診サービスのスタッフ及び医師が救急隊と平行して連絡をします。救急隊との連携が円滑に行われることで、現場滞在時間が短縮され、患者様の負担が軽減されます。

まとめ

 往診中の救急要請対応は、患者様の生命や予後に関わるため高度な対応が求められる事案です。往診医や代診サービスのスタッフが適切な対応を行い、救急隊との連携を強化することで、医療サービスの質を向上させることになるでしょう。

有限会社高千穂産業 民間救急事業部
取締役 関山 隆人


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